大阪城天守閣テーマ展「戦国時代の肖像画を楽しむ」を観て来ました

投稿日:2012/02/09 更新日:

大阪城の展示場テーマ「戦国ファッション」が思いの外面白かったので2回目行って来ました。

肖像画

今まで肖像画の鑑賞チェックポイントと言えば「あ!あの武将の肖像画だ!」と「知ってる武将かどうか」と言う何とも貧相なものでした。

それが今回。「戦国ファッション」と言うテーマで幾つもの肖像画が展示されていて、肖像画を観るための解説を読んでいると。肖像画に描かれてる衣装から持ち物から、その人物の時代背景や生き方、今まで考えもしなかったことが見えてくるんだなあと、感じることが出来ました。これから先肖像画の鑑賞チェックポイントに「衣装の違いを見る」と言うのが追加出来そうです。

平安時代末の平氏政権樹立以来、わが国は長きにわたって武士の支配が続きましたが、その権力の強大さとは裏腹に、地位はあくまでも公家の下位に甘んじざるを得ませんでし た。
ところが、豊臣秀吉が関白に就任すると、彼は大名たちの地位を押し上げ、遂に武家は公家に並び立つ存在になりました。
そうした変化は、彼らを描く肖像画にも如実に現れ、戦国時代には「大紋」を着用した 姿で描かれていた彼らが、豊臣時代には公家の正装である「束帯」姿で描かれるようになります。肖像画からは、そうした彼らの地位上昇を読み取ることもできるのです。
今回は、そうした「大紋」「束帯」姿以外にも、「肩衣」姿の肖像画や陣中での様子を描いた「軍陣影」など、戦国武将の肖像画を衣服の種類ごとに展示してみました。併せて彼らが着用した甲冑や陣中で用いた指揮具、また女性の肖像画なども展示しましたので、戦国時代の男女のファッションをお楽しみいただけたらと思います。

___大阪城天守閣

最近で言えば大河ドラマの「平清盛」でも武士から天上人になることがどれだけ名誉あることか描かれていましたが。秀吉が関白就任後、武士の地位の底上げをしたとか。偉業ですよね。

引用部に出てきた「大紋」「束帯」「肩衣」「軍陣影」とは何ぞや?
展示場に詳しく説明書きが載っていました。

大紋
背と両袖、胸の左右に大きく家紋を染め、袴にも同様に家紋を染めた模様の直垂を大紋と呼ぶ

束帯
俗に「衣冠束帯」と言われているが「衣冠」と「束帯」とは別で「衣冠」が朝廷に仕える公家の略式礼装であるのに対し、「束帯」は正装である。古代の令に定められた中国式の朝服を和様化したものである

肩衣
室町時代末期に現れた武家の略式礼装。素襖(すおう)から袖をとった様式である。上を「肩衣」、下を「袴」と呼ぶ。江戸時代になると、肩衣と袴が同じ材質、色、文様になることが多くその場合は一般的に「裃」(かみしも)と呼ぶ

軍陣影
武装して陣中にある姿を描いた肖像画を「軍陣影」と呼ぶ。「影」とは「姿」のこと。

肖像画に描かれている衣装一つとっても種類があるんですね。「そう言えば違うなぁ」と言われてから見比べてみると分かる程度しか鑑賞してなかったんですがこれで一つ楽しみ方が増えました。
以下それぞれのどの武将の展示品があったかちらりと紹介します。
(リンク先は必ずしも展示されてた物と同じ肖像画ではありませんのであしからず)

大紋の肖像画

毛利元就(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Motonari_Mouri02.jpg)や浅井長政(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Azai_Nagamasa3.jpgなどの肖像画が展示されていました。

束帯の肖像画

織田信長や真田信之、黒田官兵衛(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yoshitaka_Kuroda.jpg)、細川忠興の肖像画が展示されていました。

中でも注目したのは官兵衛の肖像画。彼は脇息にもたれて足を投げ出すような姿勢で描かれていることが多いそうです。これは、長きに渡って有岡城での幽閉生活で足を悪くしたためだと考えられているそうです。肖像画からそこまで読めるんですね・・・。

肩衣の肖像画

加藤清正(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Kato_Kiyomasa.jpg)や石田三成(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Ishida_Mitsunari.jpg)の肖像画が展示されていました。

清正は右手に扇子、腰に脇指、そして肩衣と袴姿。三成の肩衣には家紋の「大一大万大吉」が描かれています。この二人の肖像画が隣同士にあったのはちょっとおいしかったです(笑)。正則の肖像画も並べて欲しかった所です(笑)。

軍陣影の肖像画

武田信玄や徳川家康の肖像画が展示されていました。

信玄の軍陣影は、白い鳥毛の諏訪法性の兜、緋色の衣の上から袈裟(けさ)をかけ、右手に軍配、左手に数珠が描かれており、信玄の軍陣影としては一般的なものだそうです。

家康の軍陣影は、夏の陣の最中に描かせたものだそうです。左胸に采配、左腰に太刀、鎧の上から陣羽織、床几に座してる姿が描かれています。

この家康の軍陣影がちょっと、なんというか、絵画全体にたいしてすごく小さく描かれてるんですよ。ちょこん、と紙の上に存在してると言うか。前回行った時も小学生位の男の子が「家康ちっちゃ!」とか言ってたくらい(笑)。堂々とした姿絵じゃなくて、なんか倹約家とか質素って言葉を浮かべてしまいたくなるような、ちょっと寂しい雰囲気が漂ってて(笑)、印象的でした。

女性の肖像画

あと珍しいと思ったのが女性の肖像画でした。お市や千姫などの肖像画が展示されていました。

お市は白地の小袖に鮮やかな腰巻姿、千姫は葵の紋を散らした打掛を着、肘掛けに右手を置いて座す姿が描かれていました。

女性の肖像画は全部で4点ありましたが、皆赤系統の衣を羽織っていて、武将たちの肖像画と違って明るく華やかな印象を与えてくれました。女性の肖像画は珍しいと感じましたが、印象もまたずいぶんと違うのだなぁと思いました。

その他の装飾品

「戦国ファッション」では肖像画以外にも様々な装飾品が展示されていました。


本来刀の柄に取り付けてこぶしを保護するものであるが、戦国時代頃から次第に装飾性、芸術性が高まり、様々なデザインが工夫されました。中でも南蛮貿易でもたらされた鉄剤を用い、異国風の形状を持つ鍔や南蛮人、南蛮船、ローマ字、十字架など、異国趣味のデザインを施した鍔を総称して「南蛮鍔」と呼ぶ。

龍が描かれてるもの、南蛮船が描かれてるものが展示されていました。確かにそれらは機能重視と言うよりデザインが凝ってて芸術性が高いものでした。南蛮船が描かれてる鍔は美しく感じ、戦国の南蛮の印象とか、異国感と言うのが感じられる、興味深いものでした。

変わり兜
戦国時代から近世初頭にかけて筋兜、星兜といった伝統的な様式にこだわらず、大胆で個性的なデザインの兜が、奇抜さを競い合うかのように次々と製作されました。これらを総称して「変わり兜」と呼ぶ。

黒漆塗角頭巾形兜
角頭巾はかぶると両耳の上が角張る形状の頭巾。これを用いたのは老人や医者や僧侶などふつう戦闘に参加することのない人々でした。

黒くて四角っぽい兜はシンプルなデザインに感じましたが、ちゃんと意味があるんですね。確かにシンプルなだけに敵兵にインパクトを与えるには物足りないデザイン。軍医や僧侶が被る非戦闘員の目印になるんですね。

当世具足
戦国時代から近世初頭にかけて用いられた甲冑を総称して呼ぶ。当世とは現代風という意味。

最後に

本当に今回のテーマは面白い切り込み方で楽しめました。ちなみに3Fの展示場テーマは「武将の生きざま」で、こちらは合戦屏風絵の楽しみ方の幅が広がりそうな解説付き。その他大阪の陣で豊臣方として大阪城にとどまった女中たちの体験話本の内容とか興味深かったです。

大阪城は近場なのでしょっちゅうお出掛けして展示品の入れ替えがあったら天守閣に登っています(普段はお散歩だけ)。そう言えば今年の梅の開花が遅れているそうで、梅林でもまだ数種類の梅の花しか花が咲いてません。まだまだ寒いですが、暖かくなって梅や桜が咲くのが今から楽しみです。

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